低価格の住宅には3LDKで800万円程で掲載されているのがありますね。
どんな物なんだろうと ネットに掲載されている超ローコスト住宅を見てみました。
キッチンや洗面台やお風呂やトイレ等の設備機器が掲載されていますが、構造や性能関係は全く記載されていませんでした。
その超ローコスト住宅のホームページに現場ブログがありました。
よく見ると外壁下地に面材耐力壁が全く無しで柱の上に直接防水シートを貼ってるだけでした。
防湿シートって下地に構造用合板等がなければ簡単に破れてしまいます。
雨水が侵入しやすい構造です。

弊所では外壁下地に構造用合板をまず全て張っています。
構造用合板は湿気に強い合板で、構造用合板と仕上げ材の間の空気が入れ替わる通気工法を採用しています。
構造用合板は耐力壁としても有効で
壁下地に構造用合板などの面材を張ると筋交いを所どころ入れるよりも地震や風圧力にも強くなります。
又、気密性が高まり防音効果もアップします。
超ローコスト住宅の内部の工事中の写真を見ると、断熱材は10キロのグラスウールで防湿性能が無いビニールに入った物でした。
断熱材の性能は厚みではありません。
同じ厚みのグラスウールでも密度の高い物は10キロ密度の物よりはるかに断熱性能が良くなります。
グラスウールは大抵、袋に入っていますが防湿性能が無い物だと断熱材に湿気が溜まり、水分の重みで壁の中のグラスウールはずり落ちてしまいます。
湿気が溜まると断熱性能も無くなります。
断熱性能の良い住宅の基準として住宅性能表示制度では等級4を最も優れた等級としていますが、10Kのグラスウールではとても基準に満たない住宅となります。
又、JISに適合する防湿性能のある断熱材を必要としていますが、超ローコスト住宅はその防湿性能も満たさない物です。

弊所では断熱性能等級4を超える住宅の設計をしており、断熱性能計算書を添付して審査機関に申請して適合証を頂いております。
2020年より省エネ住宅の義務化の案があり、現在先送りとなっていますがいずれ法律で義務化となります。
外壁下地の面材が無い事や断熱性能が劣る事が超ローコスト住宅の現場ブログ写真からわかりましたが、
それだけでは無いのでは・・・
断熱性も耐久性にも劣る家を安く買ってお得でしょうか?
夏は暑く、冬は寒い家は冷暖房費用も高く付きます。
防湿シート貼りだけの外壁からは隙間風が入ります。
地震や台風にも弱いです。
最近800万円程で新築住宅が建てられませんか?
って問い合わせがよくあります。
おそらく超ローコスト住宅の価格を見て、それくらいで可能なんだって思われる方が多いのでは・・・
少しのあいだ住むだけなら安売りの住宅でもいいでしょうが、何十年と住むなら価格は少し高くても、耐久性や性能に優れた家にされた方がお得です。
安く住宅を手に入れても早く建て替えなければならなくなる家って結局は高い買い物ですね。
超ローコスト住宅にご用心を!
毎週土曜日に無料配信しています。メルマガのお申込みはこちらから