住宅会社のパンフレットやホームページには写真家による綺麗な完成写真が載っていますね。
ソファーやダイニングテーブルなどの家具や観葉植物まで置かれた写真です。
でも工事中の写真って載っていないのが多いです。
見た目が良くない事や工事途中の写真を掲載しても一般の人にはわからないから載せないのでしょうか?
それとも工事途中の写真を見せられないのかな?
住宅は完成して見える部分よりも、完成すると見えなくなる部分の方が大切です。
基礎工事中の鉄筋の配筋状況や棟上げ後の面材耐力壁やすじかいの取り付け状況・防水シートの施工状況・断熱材の種類や厚みや施工状況・土台や柱の材質・金物の取り付け状況・等々
大切な部分がいっぱいあります。
住宅瑕疵保険制度による現場検査は最低、基礎配筋時と棟上げ後の検査の2回が行われますが、完成時よりも工事途中の検査を重視しています。
弊所は住宅瑕疵保険の取次店(ハウスジーメン)であり、住宅瑕疵保険の検査員として大手ハウスメーカー現場検査をしています。
弊所は設計監理の依頼を頂いた建物の工事中の様子をブログに掲載しています。
個人情報保護の為、具体的な住所や建築主様の氏名を掲載する事は一切ありませんし、外観写真の周囲の風景や隣地の建物もできる限りモザイク処理しています。
工事着工から完成まで、工事の進捗状況がわかる写真と解説をブログに掲載する事は工事記録になり、建築主様も図面でみるよりも具体的にわかります。
弊所に設計依頼を頂きましたN様は建築現場のすぐ近くにお住まいの方で、毎日でも工事の進捗状況を見る事ができる方でしたが、
N様が私に 「ブログに工事写真とその解説が書いてあるので、工事中の事も良く分かってよかったです」って嬉しそうにお話されました。
工事中の写真や記録は完成すると仕上げ材で隠れて見えなくなる部分が良くわかるので、完成後何十年後かにリフォームする場合にも役立ちます。
住宅会社の現場監督には下請け業者任せで、現場に行かない人もありますが、工事の進捗状況を細かく記録するには私自身が現場に何度も行かないとできない事です。